日仏芸術交流の100年―建築、音楽、庭園、写真・映像(日仏会館創立百周年記念 日仏シンポジウム)
日仏会館創立100周年を記念する芸術関係の企画として、1924年の日仏会館設立から1953年の日仏文化協定締結までの時代を主たる対象に、日本とフランスの芸術交流の歴史を多様なジャンルやメディアを切り口にたどりたい。20世紀前半の日仏芸術交流といえば、藤田嗣治やル・コルビュジエの名前が前面に出るイベントが多かったが、本企画はそれとは違う。100周年に相応しく、様々な芸術分野における日仏交流の知られざる過去を改めて蘇らせる内容で、新鮮な刺戟を与えることであろう。
シンポジウムの第1部から第3部では、建築、音楽、庭園、写真・映像の領域における日仏芸術交流創生期の知られざる人物や側面を浮き彫りにする。また、その延長線上にこそ日仏にまたがる現在の芸術創造が位置づけられることも示したい。第4部となるコンサート(別日開催)では日仏交流で大きな役割を担った日本の作曲家の作品を聴く。プログラム全体で、日仏芸術交流の記憶を新たにし、今後の文化交流を活性化することを目指している。
11:00
第2部:日仏音楽交流―草期から現代までの歩み
司会:野平一郎
• 船山信子(元上野学園大学学長)
「第二次世界大戦以前の日仏間の音楽文化交流―小松耕輔と三浦環を中心に―」
• 野平一郎(東京音楽大学学長)
「日仏音楽交流と音楽教育機関の構造化—池内友次郎と安川加寿子の周辺—」
• ヴェロニク・ブランドー(フランス国立東洋語言語文化学院講師)
「1980・1990年代の日仏文化交流における現代音楽分野の豊かさ」
12:50 休憩
14:20
第3部:日仏におけるイメージの往還——19-21世紀の建築・庭園、写真・映像
司会:林洋子
• 林洋子(兵庫県立美術館館長)
「アルベール・カーンの再生―1890-1920年代パリでの日本イメージ刻印者として」
• ジャン=セバスチャン・クルーゼル(ソルボンヌ大学教授)
「フランスにおける日本建築の初期モデル―アルベール・カーンによる庭園」
• 隈研吾(建築家)
「フランスでの近年のプロジェクトをめぐって―アルベール・カーン美術館新館を中心に」
16:10 – 16:20 閉会の辞
トマ・ガルサン(日仏会館・フランス国立日本研究所所長)