朝日カルチャーセンター横浜教室
フランス音楽とJ.Ph.ラモーの和声論の関係と、その変遷『和声法教程』(1722) 発刊から300年記念
- 野平 多美(作曲家・音楽評論家)
♪J.Ph.ラモー(1683 – 1764)の著作「和声法教程」(1722) 発刊から300年記念
ドイツのJ.S.バッハは和声法教程も対位法教程も記さず、その作品「インヴェンション」や「平均律クラヴィーア曲集」によって作曲理論を子弟に伝えた。しかしフランスでは、同じ頃、300年も前に当時の科学的理論などの情報や音楽の慣習を広くキャッチしながらすでに和声理論を確立して大著を編んだJ.Ph.ラモーがいた。そのおかげで作曲家や演奏家も音楽の根本となる理論を容易に理解しながら、創作活動をしたり音楽解釈をしてきた。講師がパリ音楽院に留学したのも、それらを大きく捉える「(音楽の)エクリチュール」という分野を実地体験したかったからである。ラモーの「和声法教程」について、その理論に触れながら、フランス音楽の発展について考察したい。(講師・記)